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一時期日本でも大々的に活躍したフランス出身のアーティスト兼植物学者である、パトリックブラン。 彼の作り出す植物の壁は独自の装置と循環器により生きたまま維持され、日々成長すらするといいます。 植物との共生をアート活動とし、壁面緑化と名づけられた彼の独自の作品を紹介したいと思います。

 1.パトリックブランについて
  実は弊社、アルバトロデザインのオフィスにも多くの観葉植物が育っています。 松やシダの盆栽や、トウガラシやパセリ等の食用植物、ポトスやパキラ、水中植物も数点あります。 将来は緑に覆われたオフィスで働きたい! そんな植物好きな私達の心を鷲づかみにしたのが壁面緑化運動を日本にももたらした、パトリック・ブランでした。 1953年にパリで生まれたブランは現在国立科学研究所の植物学者であり、植物アーテイストとしても世界中からオファーを受けるほどの人気アーティストでもあります。 「垂直庭園」とも呼ばれる壁面緑化を(植物の壁)を発明し、フランスのみならず台湾、スペイン、日本等世界中の壁に植物を植えつけてきました。 日本では金沢21世紀美術館の植物の壁が特に有名で、多くの壁面緑化フォロワーを生み出しました。

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2.植物の壁について
 植物をオブジェクトしてではなく、共生するパートナーと主張するブランは、植物が過去から現代に至るまでもいつも生活の傍らにいてくれたことへの感謝の気持ちを忘れない為に、植物の壁を室内や都心へ創るのだといいます。 では、彼はどのようにして植物の壁をつくりだしたのでしょうか。
 元々幼い頃はまわりの子供と同じように、小さな生物が大好きだったそうです。 中でも魚が好きで、魚の水槽を毎日眺めていたそうです。 そんなある日、水中の植物が水槽内の水を浄化していることを発見します。 実験気分で、家中の植物を鉢から抜き取り、根を洗って水槽に入れてみたところ植物は水槽から栄養を吸い上げることで水を浄化し、魚やカエルは根に卵を産み、水上の植物はどんどん成長したそうです。 はじめて小さな食物連鎖のかけらを目の当たりにしたことに強く感動したブランはその水槽に金網を天上まで伸ばし、植物をひたすら成長させました。 やがて水槽から伸びた植物は天井まで到達し、これが植物の壁の最初の作品となったそうです。

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3.パトリック ブランの魔術 エコシステム
 建物の壁に生きた植物を張り付けるだけでなく、そこにエコシステム=生態系を作り上げるというのがパトリックブランの植物の壁のすごいところです。 設置場所に合わせて植物を選定し、植物の生態に合わせて照明や水分補給等の環境が構築され、さらにその環境に適した生物が順応する所までが作品となっています。 そこに住み着く生物の糞や死骸までもが植物に浄化され、補完関係を保ちます。 パトリックブランの自宅は部屋中が多様な植物に覆われ、人間との共生すら完成されているというから驚きです。

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4.動画で見るパトリックブランの作品