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本日は夫婦二人で建設されたセルフビルド、沢田マンションを紹介したいと思います。

1.セルフビルドとは
  セルフビルドとは、簡単に説明すると建築業者等プロフェッショナルな人たちの力を借りず、個人が(基本的にはそこに住む予定で)独学で建築を作り上げる事を言います。世界中にセルフビルドと呼ばれる建築は存在しており、フランスやアメリカにはかなりの数の有名なセルフビルドが存在します。
 プロの建築の知識をしっかり勉強しプロファッショナルな建物家が建てたものと見分けがつかないような建物を趣味で自分で作り上げるパターンも多いです。しかし、中には素人だけに大胆で斬新な発想が盛り込まれたり、完全に自分だけの世界観を作り上げるという事を目的で建築する事も多く、世界中に大変ユニークなセルフビルドの建物が存在しているのはとても興味深い事実です。

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2.日本を代表するセルフビルド 沢田マンション
  沢田マンション(通称沢マン)は高知県高知市に現存する、日本のセルフビルド建築では珍しくとてつもなく巨大な建物です。ウィキペディアによりますと、現在敷地面積550坪、地下1階地上5階建て(一部6階)、入居戸数約70世帯、約100人居住可能です。

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3.沢田マンションの歴史
  沢田マンションの歴史は沢田嘉農(さわだ かのう)さんが奥さんと1971年に広大な土地を購入したところから始まります。まずは約10日間かけて土地を約6m掘り上げ、柱を設置。家族総出でコンクリートを鉄筋に打ち込みます。当時小学生の娘は「届かない足でレッカー車を運転して」生コンクリートを運んだそうです。きちんとした図面を作らずに建設、増設を続け、最終的には5階建て・戸数約60戸(一部6階建て)まで完成させました。当時は社会的に地位の低い母子家庭や老人の夫婦等に積極的に貸していたそうです。今はその独自の建築の壮大さや、沢田スピリットに共感した若い人が多く集まっているようです。海外からの注目も高く、多くのアーティストやデザイナーが訪れています。

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4.沢田マンションに実際に行ってみました
  学生の頃、沢田マンションに強く興味を持ち、友人との日本縦断旅行の際に実際に訪れてみました。やはり現物は大きさとその複雑さに感動します。建物は白で統一されているのですが、増設を繰り返している為とても複雑にできていて、いい意味で深いアジアっぽい怪しい雰囲気もしました。建物の中には集会場や、温室菜園、畑、池まであります。屋上には家庭菜園の他に大きな煙突があり、絶えず煙がでていました。幾度にわたる増築、修復、改築の後が残り本当に、生きた建築という感じでした。
 入り口には歴代沢田マンションで稼動してきた発動機が並べられていて、沢田氏の「二人だけでどこまでやれるのか、人間の力を試してみたい」「100所帯あるマンションを建築しよう」というメッセージの書かれた沢田マンションや発動機についての説明も書いてあります。

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アルバトロデザイン 猪飼 俊介

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