入稿が去ってはまた入稿、アルバトロデザイン猪 飼です。 早いものでデザイン事務所を立ち上げてから半年以上経ち、経営とデザインという一貫した仕事をこなす経験が増えるにつれ、コンセプトの大切さが身に沁みてきます。 妥協したデザインをしてしまうと、仕事自体がつまらなくて辛くなり、ならばいつだって最高のものを作りたい、と思うとやはり最終的にはコンセプトが物をいってくるからです。 もっといいものを、もっと、もっと、と思えば思うほどコンセプトに重点を置く大切さを感じます。 さて、そういう訳で本日はとてもコンセプチュアルな世界の広告についてです。

 
1.変わりゆく広告の世界

 広告の花形はテレビでした。 大きなプロジェクトはまずテレビで大々的にCMを放送することで信用と知名度を一気に高め、新聞や雑誌の広告でさらに広告から実際のコンテンツ(商品)へとアクセスしやすくする筋道を作っていました。 テレビ媒体が信用と知名度がメインだとすると、紙面媒体はコンバーション、つまり実際にコンテンツへ繋げる架け橋であり、広告としての歴史自体はテレビよりも古く、紙面広告の歴史は広告そのものの歴史ともいえます。

 しかしインターネットの発達で状況は少しずつ変わってきました。 莫大な費用がかかるテレビ広告よりも、低価格で確実に効果のあるネット広告が広告界のバランスを打ち崩したからです。 そこで逆に、静的な紙面広告はそのままネットでも活用できるというメリットからまた注目されはじめます。

 広告というものは、同じ予算で同じ規模で仕掛けられても、その実際に使われる広告の内容、つまりはデザインによって全く効果が変わってきます。 いかに伝えたいことを刺激的に伝えるかが広告の要です。 本日は、そんな効果的であり、刺激的であり、デザインとしても完成度が高い広告をいくつかピックアップしてみます。

2.SONY プレイステーション広告の歴史

 ゲームと広告の新しい関係を築いたのはSONYのプレイステーションかもしれません。 ゲーム機という特性上、非常に男性的なものが多いです。 しかし、ゲームというコンテンツはどんなイメージも扱うことが出来るため、普通の広告では嫌われがちなダークなものや、気持ちの悪いものも比較的扱いやすいジャンルでもあります。

昔はゲーム広告というと任天堂のマリオやドンキーコングのように、もっと家庭的なイメージがありました。 しかし最近のゲーム広告という確立されたジャンルは、この掟破りなプレイステーション広告によって新しい方向性が定められたように思えます。これもゲーマーのシェアの変異、つまり昔ゲームをやって育った子供が今や大人になった、という背景もあるのでしょうか。

 

3.刺激のある広告

 広告は一枚の紙で全てを表現する必要がある為、まず目を引くということが大切な条件になります。 目を引き、気を引き、最終的に商品へとどう意識を繋げるかが勝負です。 という訳で、世界の刺激的で思わず目を引く面白いアイデアの広告をいくつかご紹介します。

若いドラッグ中毒者を改善へと導く団体、San Patrignanoの広告です。コピーには、「私たちは彼らのアイデンティティーを取り戻します」とあります。無機質になってしまった人間を、もう一度人らしく、という意味が込められている広告です。


ワンクリック(シートベルトのカチッ)があなたの未来を変えるかもしれない。というコピーの、シートベルト装着促進キャンペーンです。シートベルトが脊髄を繋ぎとめるイメージを絶妙に表していますね!

  

オリンピック×アディダスの広告です。1人のアスリートを、国民が応援して支えている、というコンセプトでしょうか。どこか井上雄彦のUNOのCM的な感じもしますね。アイデアや色使いがよいですね。

環境問題関係の広告です。上から、「新しいエネルギー供給は、私たちのエネルギー消費癖を改めるという事にはならない。」「地球という見地から、ゴミを捨てるという見解はない。捨てている場所は地球なのだから。」「私たちの惑星は水の惑星とも呼べる。しかし、そのうちの3%しか飲むことは出来ない。」「”気づく”という事で私たちの惑星を変えることができる。”教育”というもので私たちは気づく事ができる。」

 

 

町でも、自然でも、というミズノのランニング・シューズのコンセプトをものすごい躍動感で表現しています。

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