古本屋でデザイン本あさりにまわる週末を過ごしているアルバトロ代表 猪飼です。 古本屋は思いがけない外国のレアな本や、古い希少価値の高い本が安く手に入ったりと、いくらいても飽きない場所ですね。 というわけで、本日は気に入っている世界の本の表紙デザイン、ブックデザインをいくつかご紹介したいと思います。

1.ブックデザイン 装丁デザインについて

  本の装丁、つまり本の外面のデザインの歴史は長く、世界中様々な本が毎日印刷、装丁されています。 画像でしかインターネットでは表現できないので今回は装丁(紙質やインク、形状などを含めて)というよりも、表紙のブックデザインについてクローズアップしてみたいと思います。

 本が生まれた時点で、ほぼ表紙というものも生まれたと言えます。 昔は情報を残したり、技術を伝達する事が主な目的であった為表紙はアーカイヴされた内容を確認するという役割が強いものでした。 しかし時代と共に本の生産量は増し、小説や技術書、あらゆるジャンルにおいて本は出版されるようになりました。

2.ブックデザインの意義

 現在、こんなに紙が作られていてよく世界はまだ緑で覆われているな~と驚くぐらいの本が世界に氾濫しています。 そこでブックデザインの必要性は大きく別けて3つの要素に分かれたといえます。

① 内容を伝える為の表紙
② 本自体を宣伝とする為の表紙 (広告)
③ 本の内容を魅力的にみせる為の表紙 (デザイン)

 元々、データをまとめた資料やマニュアルのようなものでないかぎり、①~③全てを表紙は含んでいるといえます。 特に日本の書籍に多い「帯」と呼ばれる本の表紙の下側にまきつけてある紙は完全に②が目的だと言えます。

 最近のブックデザインは②の「宣伝」が最大の焦点になっているといえます。 内容を分かりやすく文字や色で宣伝して、すこしでも多くの人に手にとってもらおうというのが目的だからです。 かつては③の本の魅力をデザインで持ち上げるという方向性が強かったのですが、 主眼が広告へとシフトしてしまった背景は本の生産量にあると思います。

3.ブックデザインの今

本の生産量はとてつもない勢いで上がり続けています。 昔は本を出せば多くの人の目につき、長い間保存されると思われていました。 本の1冊の価値が今とは比べ物にならないぐらい高かったのです。 しかし生産量の増加によって、ジャンルにもよりますがかなり即物的な物へと変わってきました。 売れなければすぐ廃盤になり、次々と新しい本が生まれてきます。

 これは本に限らず、広告やデザイン全般、しいては音楽やファッションにも言えることかもしれません。 コンピュータによるめまぐるしい技術進歩により物を生産することは容易くなりました。 しかし膨大な種類のデザインが市場に出ると、膨大な数のデザインが消えなくてはならなりません。

 ブックデザインも時代と共に、デザインよりも広告という道を歩んだジャンルだと言えます。 生産、消費のスピーデイなフローは歓迎するべき体制ではあります。 しかし、デザインの水準という視点からみると最近のブックデザインはすこし物足りない気もします。