デザイナーズ リパブリック 伝説となった英国デザイン会社




  今日もアルバトロデザインのオフィシャルサイト制作がなかなか進まず困り果てている猪飼です。 夜も眠れません。 さて、そんなデザイン会社を立ち上げてまだ間もないのですが、本日は倒産した英国に拠点を置く国際的なグラフィックデザイン会社The Designers Republicについてです。 実はこの会社、私がデザインに興味を持ち始めた頃最も好きだったデザイン会社の1つでもあります。 かなり影響を受けた会社だけに、2009年1月の倒産の知らせは衝撃でした。 不況の中、第三次産業であるデザイン会社へのあおりは強い毎日ですが、不況から生まれた会社は打たれ強いともいいます。 それはそうと、今日は私が敬愛したThe Designers Republicについてです。

 1.The Designers Republic デザイナーズリパブリックの誕生

  グラフィックを中心としたデザイン会社、デザイナーズリパブリックは1986年6月14日、Ian Anderson(イアン=アンダーソン氏)によって設立されました。 音楽が大好きだったイアンは、当時イギリスのシェフィールド出身の音楽に傾倒しており、都心ロンドンからシェフィールドへ引越しミュージシャンのマネージメントをしていました。 ある日Person to Personというバンドのフライヤー制作経験をきっかけにグラフィックデザインに本格的に目覚め、町の文具屋のコピー機を何度も使ってレイアウトを組んだそうです。 そんなイアンのこだわりのユニークなデザイン作品は仲間の中で好評となり、音楽レーベルからジャケットデザインのオファーが来るようになります。 こうしてデザイナーズリパブリックの原型が作られていきました。

 

 2.イギリスの田舎町に根ざしたシェフィールド音楽とデザイナーズリパブリック

  愛する音楽のあるシェフィールドを拠点にシェフィールドアーティスト達のジャケットデザインを作り始めたイアンは、The Designers Republic(以下DR)を名乗り会社として仕事を請けるようになります。 シェフィールド拠点のレコードレーベル、Warp(ワープ)レコードもクライアントとしてDRへデザインをオファーします。 世界的なアーティストを保有するWarpレコードの作品を制作することでDRの活躍する舞台はシェフィールドから世界へと移ります。 Pop Will Eat Itselfや、エイフェックスツインの強烈なコラージュジャケットで世界中で一躍注目の的となり、ゲームのアートディレクションを通してさらにその才能を発揮しました。 WipeOutシリーズやGrand Theft Auto(グランドセフトオート 通称GTA)のデザインもDRの作品です。 Warpレコードのデザインも多数手がけ、世界中にDRの独特且つ斬新なデザインに魅了されたデザイナーズ・リパブリック・フォロワーを生み出します。

 Aphex Twinのアルバムアート

ゲーム WipeOutシリーズのアートディレクション

3.デザイナーズリパブリックの変化

  デザイナーズリパブリック(以下DR)は反商業主義をデザインモットーの1つとして掲げていました。 デザイン至上な独自且つアート性の強いデザインを輩出し続けることによりブランド力を高めることには成功したものの、その知名度は異常な速度で世界に広まってしまい、世界の様々な王手起業が彼らにデザインオファーを持ちかけます。 元々イアンや少数の仲間から始まり、全盛期も9人のメンバーしかいない小さな事務所が突然世界を相手にデザインをすることとなったのです。 反商業主義でエッジの効いたクリエイティビティをベースコンセプトとしていた彼らのデザインモットーはコカコーラ等巨大なクライアントにより崩れ落ち、またその仕事を裁ききれず強引に代理店的なビジネスへと変わっていきます。 少数ながらも素晴らしい才能に恵まれたメンバーで構成されたDRはその実力が故に時代と共に実際の業務はデザインの現場から離れていきます。

 

4.デザイナーズリパブリックの倒産

  DRは最終的に反商業主義から商業主義なデザイン代理店会社へと変化していき、イアンは自分の思う「本当のデザイン」からかけ離れていることに不安を覚えました。 さらにそこへ世界恐慌の波がかぶさり、不慣れな大企業クライアントを相手に無理やり代理店的活動をしていたDRはキャッシュフローの失敗であっけなく倒産することとなります。 具体的な原因は不況によるクライアントの損失と重要なデザインコンペでの敗退、クライアントの支払いの遅れによるキャッシュフローの失敗だったそうです。

 イアンは倒産に対し、「元にあった姿に戻したい、実際のデザインから離れてしまったDRをもっとはやくおわせるべきだったのかもしれない。 ビジネスや会計とは全く関係の無いところで、これからは原点に戻ってデザインをしていきたい。DRは死んでしまったけど、僕はデザイナーズリパブリック万歳といいたい。」と語りました。

 

JULIA – by The Designers Republic デザイナーズリパブリックによるPV

Squarepusher – My Red Hot Car デザイナーズリパブリックによるPV

アルバトロデザイン 猪飼 俊介









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2 Comments

  1. こんにちは。
    ブログ村から拝見させていただきましたrb4です。

    記事の方興味深く読ませていただきました。
    最後の「DRは死んでしまったけど、僕はデザイナーズリパブリック万歳といいたい。」という部分が
    とても印象的でした。

    おもしろい記事がたくさん掲載されていて、
    すばらしいブログだなと思いました!
    これからもじっくり読ませていただきたいと思います。

  2. rb4様
    返信送れて大変申し訳ございません。
    何故かスパムのフォルダに入っていて、しばらく気がつきませんでした。
    creative life、私達もいつも参考にさせていただいております。すばらしいブログですね!

    これからも是非宜しくお願い致します。

    アルバトロデザイン一同

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