デザインにはヴルーヴが大切だ、ということで仕事中はいつも脈絡も無い音楽がかかっているアルバトロデザイン代表の猪飼です。 事務所でかけている音楽のジャンルは完全にノージャンルで、毎日気分によって変わります。 Jpopからクラシック、ロックから演歌までなんでも投げやりにかけていますが、最近は昭和歌謡とSoul、Discoが何故か多いです。 そんないつもお世話になっている音楽の中で、本日は70s Discoミュージックのアルバムアートに注目してみたいと思います。

1.Disco ディスコの起源

  ディスコの起源は第二次世界大戦にまでさかのぼります。 戦争の激化により、音楽の生演奏が不可能となったフランスのナイトクラブで、しかたなく演奏の変わりにレコードを掛けて踊るようになったのが発祥と言われています。 このディスコという言葉もフランス語で「discothèque = レコード置き場」という言葉の短縮形です。 生演奏の代わりとして発生したディスコも、生演奏よりも数百倍もの曲を客に合わせて再生できるというメリットがうけ、戦後パリに「ラ・ディスコテークという」ディスコクラブが開店したことでフランスに新しいディスコというカルチャーが定着します。

2.Disco ディスコの歴史

  フランスで発祥したディスコカルチャーは同じ戦後だったアメリカにまで飛び火し、60年代に大ブレークを起こします。 流行曲だけでなく、古今問わず世界中の様々な曲(特にソウルやファンク等のブラックミュージック)を聴いていたアメリカのマイノリティー層(黒人を中心とした移民達)に強い指示を受け、次々に伝説となるディスコクラブが開店します。 黒人のゲイカルチャーが主導を握った事もあり、ファッショナブルな流行の発祥地としてディスコはあらゆる若者の注目する文化へと昇華します。
 結果、ディスコ独特のカルチャーが発達し、ただレコードをかけて音楽を聴かせるというスタイルにも変化がおきました。 二枚のレコードをうまくつなげて流す技術や、ダンス向きではない曲をテンポを変えたり別の曲とリミックスし、ダンスミュージックに作り変える等の技術がプレイヤー同士で競われました。 (この曲をリピートしたり切り貼りするという発想は後にヒップホップやブレイクビーツというジャンルへと引き継がれます。)
 音楽をかける人はDJと呼ばれるようになり、自らの趣向を凝らした世界から集めたレコードから「お勧めの曲を客に合わせてうまくアレンジしてかける」という役割待ち始めます。

3.ディスコ全盛期とアメリカDJの神 ラリー・レヴァン

   ゲイの黒人層をベースにアメリカのサブカルチャーを沸かせたディスコの中でもとりわけ人気であったディスコ「パラダイス・ガレージ」から誕生した同ディスコのメインDJがラリー・レヴァンです。 ラリー・レヴァンのかける音楽は実にバラエティーに富み(日本の歌謡曲やポップスもプレイされていたそうです)、ダンサー達の心を掴んだ彼は自ら音楽やトラックのプロデュースをしたり、12インチのDJ用レコードを開発しました。 ラリー・レヴァンによって今のディスコ(現クラブ)のスタイルは確立されたといえます。
 しかしまだ黒人差別や、ゲイへの差別も強いアメリカでは、ディスコカルチャーはメインストリームとはいえませんでした。 70年代に入り、この水面下で燻る熱いカルチャーはアメリカ全土で爆発します。 アメリカのTV番組Soul Trainがディスコミュージックを取り上げたのをきっかけに、非差別への風潮も相まってアメリカ全土でディスコブームがおきました。 70年代に入りディスコミュージックが全盛期を迎え、80年代まで実に20年以上もヒットチャートを独占するようになります。ラリー・レヴァンのプレイしたヴルーヴ感あふれるディスコ時代の音楽をガラージュ系とし、デイスコ系音楽といわれる音楽の中でも特別に扱われ、いまだにフォロワーを生むほどの人気である事からも当時の勢いを感じます。

 

4.ディスコ時代のアルバム・-アート

   アメリカに住む世界中の人種、同性愛者等様々なカルチャーが交差してできたデイスコ・カルチャーがゆえに、レコードのアルバムアートも実に多様です。 戦争、人種差別、同性愛差別という苦しみに耐えてきたアメリカン・ブラック達が夜にまぶしいような、きらめくミラーボールの元に集まり、全てを忘れて遊ぶという気持ちがアルバムアートにも強く出ているのかもしれません。そんな70年代ディスコ周辺のアルバムはどれも個性が強く、独自性があります。

5.ディスコにインスパイアされたアートワーク

  初期のディスコにある隠れ家的な雰囲気や、その日だけはひたすら楽しむというダンスフロアのきらびやかさを表現したアートワークも次々に作られていきました。 中でもアースウィンド&ファイアのレコードを一手に引き受けていた日本のイラストレーター長岡秀星さんを筆頭に、スペーシー(宇宙的な)世界観をディスコに重ねる風習がありました。 ここではそんなディスコカルチャーから派生したアートワークを紹介します。

6.動画と音楽で楽しむディスコ

   本来演奏者主役だった音楽を、ディスコはDJだけでなくダンサーも主役にしました。 ダンスとディスコで有名な映画だとサタデー・ナイト・フィーバー等があるります。 最後にディスコサウンドならではの体が動いてしまうようなヴルーヴィな曲と、ディスコの雰囲気を伝える動画を紹介します。

Staurday Night Fever – ディスコの名シーン

 

I Will Survive – Gloria Gaynor

Its a shame – Spinners

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