最初の記事は東欧デザインについてです。日本でも最近チェコアニメブームが静かなる到来をしたりと、文化の違いによるユニークさが見直されつつある東欧のカルチャーです。
1.東欧デザイン概要
まず、東欧と言うとチェコやルーマニアが思い浮かびますが、実は南はハンガリー、東はロシアまでが含まれます。広義にはバルカン半島諸国を含む場合もあるようです。
東欧の魅力はなんと言っても、1990年前までの共産主義圏の色が強く残ったヨーロッパという特殊な位置づけにあると思います。さらに東欧は東に強く残った共産主義と西から発信した民主主義の中間に位置づけられ、プロレタリアート(労働者階級)から来るモノトーンや赤が中心の図案の上に、西の民主主義から飛び出したカラフルな色が少しずつ散りばめられた独特な雰囲気があります。さらにその土地本来の歴史や文化が入り混じり、少し変わっているけどどこかかわいらしい、「東欧らしさ」を助長しています。
1990年頃という比較的最近から色や自由な形を大々的に取り入れた、独特な色や形に対する考え方もとても興味深い所だと思います。これらの端的な形として、キュビズムやシュルレアリスムという独自の芸術性からも垣間見ることができます。
2.東欧グラフィック
色や形に独特の素朴さや幾何学性が見られるのが特徴です。これは、チェコ等に多く存在するユダヤ教の図案からも多く見られます。また、東欧の図案はモノトーン等の限られた色にうまく調和するような色使いがおもしろいです。特に古いものは、実験的なレイアウトの配置や、丸や直線を使った斬新なレイアウトのカッティングもよく見られます。
デザインの年代や用途にもよりますが、やはり昔の東欧のグラフィックはモノトーンに赤を中心とした独自の色が映え、とてもきれいです。 実際にお店等で東欧の本や印刷物を手にすると、独特の藁半紙の様なざらっとした質感が感じられる物が多いと思います。もしかすると、そういった材質から来る色の映り方も、日本に住む私たちにはすこしおもしろく感じるのかもしれませんね。
東欧やロシアを中心とした共産主義の影響のあるデザインについては、また時間のあるときに続きを書きたいと思います。 初回なので力が入りすぎて長い内容となってしまいましたが、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
コメントを残す