オリンピックも盛り上がってきたようですね! 息抜きということで、オフィス内で選手名鑑を眺めながら特徴のある選手を顔から性格を判断するという遊びをはじめたら誰も先日の仕事が終わらなかったアルバトロデザイン代表 猪飼です。 話はしても、手は休めるな、を社訓に今年もがんばろうと思います。 さて、前回より引き続きオリンピックのロゴマーク&ポスターデザインの後編です。 実は一回で終わらせるつもりが、想像以上にボリュームがあって、初めて2回に別けてみました。 実は、80年代以降のほうがおもしろいグラフィックが多かったりします。 では、オリンピック・デザインの後編をどうぞ!

1.1980年代以降のオリンピックのデザイン考察

前回にひきつづき、オリンピックのデザイン特集です。 前回の記事はこちらから

オリンピック開催による経済効果の有効性が実証され、いよいよ各国はこぞってオリンピックに力を入れるようになります。 それは、広告やデザインに関しても同じことでした。 世界に打ち出しても恥じることの無いデザインを出す、というハードルの高いデザインの基準が暗黙に設けられました。

その国らしさ、 ナショナリズムを前面に出しつつも世界的に受け入れられる国際性をも兼ね備えたクオリティの高いデザイン、ターゲットは全世界・・・ 制作側としては考えただけでもクラクラしますね 笑
しかしこうした強いプレッシャーの中で生まれてきたデザインは、どの国も素晴らしい出来のものが多いです。 その国のデザイナーが考えに考え抜いたデザインという視点では、オリンピックが開催される前からロゴやマスコット、ポスターを発表した時点で「デザイン」のオリンピックは既に始まっているのかもしれませんね。 しかも、対戦相手は歴代のオリンピック全てのデザインです。


2.近代オリンピックのポスター 1980年~現在まで

では早速、1980年代以降のオリンピックのデザインを検証してみたいと思います。
※ 残念ながら、全てをお伝えできないのでデザインの優れたものを厳選して紹介しています。

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1980年 モスクワ オリンピック(ソ連 = 現ロシア)
モスクワオリンピックは、アフガン進行問題の冷戦下で行われた為、ヨーロッパ諸国や日本、アメリカの集団ボイコットがおきた為メダルはほぼソビエト連邦が総取りという結果になりました。 国際的には散々な目にあったモスクワオリンピックですが、デザインは個人的に凄く好きです。 マスコットのクマさんもとても素朴でかわいいので、大会事態がうまくゆかずに実に残念です。

1980年 レークプラシッド オリンピック (アメリカ)

 モスクワ五輪の同年にアメリカで開催された冬季オリンピックです。 ソ連はボイコット返しをせずに、無事ほぼ全世界参加で開催されましたが、優勝したソ連選手はイギリス首相の昼食会をボイコットし返したという伝説もあります。 さて、デザインはごくシンプルで、構図を重視した作りになっていますが絶妙なバランス感と、書体、色が綺麗なポスターですね。

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1984年 ロサンゼルス オリンピック (アメリカ)

 前回の冬季オリンピックに引き続き、アメリカが開催国で行われたのがロサンゼルス 夏季オリンピックです。 デザインは、とてもアメリカンです 笑  アパレル系のロゴマークのようなデザインがアメリカらしく、かっこよいです。 ポスターもかなりモダンで、グラフィック色がいよいよ強くなります。

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1984年 サラエボ オリンピック (ユーゴスラビア 現ボスニア・ヘルツェゴビナ)

 東欧の共産圏での初めての冬季オリンピックが開催された、まさかのサラエボ・オリンピックです。 幾何学的な赤いロゴマークは、カナダのオリンピックマークにすこし似ていますね。

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1988年 ソウルオリンピック (大韓民国)

 韓国のソウルオリンピックは、デザインという視点からみても完全にダークホースです。 なかなか、秀逸なデザインだと思います。 韓国の国旗にもある陰&陽(イン&ヤン)のマークと五輪マークの奇跡のコラボレーションに加え、当時流行していた直線的なレトロフューチャー的なポスターは目を引きます。

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1988年 カルガリーオリンピック (カナダ)

 冬季オリンピックのスター開催地、カナダのカルガリーでの1988年冬季オリンピックです。 カナダといえば、赤いロゴに黒いテキストの構図も年々進化してきているのがわかります。 カナダのオリンピックデザインとしては、このロゴが一番好きです。 打って変わってポスターは、何故か若干世紀末的なまさかの空から黒背景へのフェードという思い切り感も重たい感じはしますが、OKな気もします。

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1990年代のオリンピック

 バルセロナオリンピック、アルヴェールヴィルオリンピック、リレハンメルオリンピック、そしてアトランタオリンピックのエンブレムです(いまさらですが、ロゴマークではなくてエンブレムというのですね・・・!)。 90年代のグラフィック・ブームが幾何学的なものから有機的なものに変化したからでしょうか。 個人的にはデザインとして少し退屈な感じがします。 アトランタオリンピックに関しては、ポスターが好みだったので大きめな画像で紹介してみました。 この、イラストタッチなオリンピック・エンブレムは2002年までしばらく続きます。

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2002年 ソルトレイクオリンピック (アメリカ)

 まってましたソルトレイク!! このエンブレム(ロゴ)は、結構好きです。 冬季オリンピックなので、雪をモチーフにしたデザインですね。 ポスターもすこしレトロっぽい手描きの雪山がモチーフです。

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3.オリンピック歴史 デザインの視点から見てみる(後編)のまとめ

 想像以上にオリンピックのエンブレムってあるんですね。 まだまだあるのですが、後編もここで精根尽きてしまいました。 今回は紹介し切れなかったものの、トリノオリンピックもデザインが素晴らしいですね。 ごく最近のオリンピックエンブレム、ポスターについては、またいつか特集したいと思います。

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