最近オリンピックが開催されていたことにうっかり気づいていなかったアルバトロデザイン代表 猪飼です。 (2010年2月現在) そろそろ家にテレビが欲しいです。 そしてテレビを観る自由な時間がほしいです。そんな冬さがり、本日は歴代のオリンピックポスターとエンブレムについてです。 昔オリンピックのポスター展に行った事があるのですが、デザインのクオリティーの高さにとても驚きました。 やはり予算と時間があって、いいデザイナーを厳選して選んでいるのだなぁ、と思わされました。  そんなハイクオリティ・デザインの宝庫、オリンピックに本日はクローズアップしてみたいと思います!

1.近代オリンピックの創立、五輪マークの意味

現在使用されているオリンピックのマーク、あの五輪マークは近代オリンピックの創立者であるピエール・ド・クーベルタン男爵が考案しました。 このピエールド・クーベルタン男爵は元々フランスの教育者でしたが、世界平和の祭典としてオリンピックを提唱し、賛同者により近代オリンピック団体が設立されました。 ちなみにこの五輪マーク、世界5大陸(青:オセアニア、黄:アジア、黒:アフリカ、緑:ヨーロッパ、赤:アメリカ)、自然要素(火・水・木の緑・土の黒・砂の黄色)、スポーツの5大鉄則(情熱・水分・体力・技術・栄養)を、原色5色で表現したものだと言われています。

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2.近代オリンピックのポスター

その時代、そのオリンピックの主催地で最もふさわしいと選ばれたデザイナーが考え抜いたのがオリンピックのポスターです。 それはある意味、その時代、その地域のデザインの総力をかけているともいえるのではないでしょうか。 それでは、デザイン的な観点から優れたオリンピックポスターを紹介していきます。
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1904年 セントルイスオリンピック(アメリカ)

まだ五輪のマークがフューチャーされておらず、オリンピック独特の国際色も発揮されていませんね。 アールヌーヴォー的なレトロなパターンと、色合いが特徴的です。

 

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1928年 アムステルダムオリンピック (オランダ)

 女性の大会参加が初めて認められ、コカ・コラーカが初めて協賛についたオリンピックの背景としてとても進歩的な大会でした。 日本人選手も参加し、金メダルもとっています。 ポスターはブルーのバックに手描きの白い服を着た人物が疾走している、躍動感溢れるデザインになっています。 よく観ると手描きのタイポグラフが凝っていて、白いサンセリフ体がいい味をだしていますね。

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1936年 ベルリンオリンピック (ドイツ)

オリンピック史上最も政治色が強いと言われているほど開催国であるドイツの当時の指導者ヒトラーの主張が成績に出た大会でした。 開催地はドイツに決まったものの、ヒトラーの差別政策に世界中でボイコットが起きましたが、ヒトラーの大会中の差別撤回や、ユダヤ人迫害の緩和を理由になんとか開催にこぎつけたそうです。 ナチスと、オリンピック五輪の競演は今見てもどことなく空気に違和感を感じます。

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1964年 東京オリンピック (日本)

 日本、及びアジア初のオリンピックでした。 世界大戦で敗戦した日本にとって、国際社会への復帰を示すシンボルのような存在でした。 首都高速を突貫工事で建設し、東京中の町並みが一気に再建されました。 デザインに関しても、充実した予算の中豪華メンバーで構成され、日本を代表するデザイナー、亀倉雄策がポスターを制作し世界的な評価を得ました。

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1968年 メキシコシティオリンピック (メキシコ)

 メキシコシティで開催されたオリンピックは、ポスターやロゴデザインがかなり斬新でした。 幾何学的な直線、曲線を使った目がくらむようなゼブラ柄のポスターは世界を驚かせました。

 

 

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1972年 ミュンヘンオリンピック (ドイツ)

 ミュンヘンのオリンピックのデザインは、まるでメキシコオリンピックからひきついだような直線的な幾何学模様が使われました。 オリンピックの五輪マークをあまり主張せず、近未来的な国際性を押し出したイラストを全面に出したデザインは今見てもオシャレです。

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1976年 モントリオールオリンピック (カナダ)

 一見オリンピックのマークとは思えないような、企業ロゴマークのようなシンプルさに濃いグレーのサンセリフ体でかかれたロゴはシンプルながら計算されています。 赤いロゴ部分が、カナダの国旗を表しています。

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1976年 インスブルックオリンピック (オーストリア)

 同年にインスブルックで開催されたオリンピックのマークです。 五輪が髪の毛状態で、笑った顔のような特殊なロゴですが、家のようになっている部分はインスブルックの都市マークです。 この年のポスターはかなりかっこいいです。 ヨーロッパらしい、ベルギー的な曲線が綺麗なデザインが光っていますね。

以上、デザインの気になるオリンピックロゴマーク、及びポスターをピックアップしてみました。
これ以降の1980年代~2000年にかけては、明日またご紹介したいと思います。

オリンピックポスター&エンブレムデザイン 1980代~2002 (後半)はこちらから

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