GWの予定の見えないアルバトロデザイン代表 猪飼です。 相変わらずデスクワークが多く、腰痛に悩まされています。 ところで、皆様ジオラマを作った経験はあるでしょうか? 子供の頃、多くの男の子はプラモデルやジオラマ(縮尺模型)に少しは興味が沸くものです。 ミニチュアの人間や、樹を植えて建物を建てて・・・こうしたミニチュア模型で作られたジオラマは実は幅広いジャンルに通じていて、鉄道模型だったり、プラモデルだったり、建物模型だったり、地域の立体地図だったりと、様々な場所でよく使われています。 そんなミニチュアの世界を絵画にしてしまったのが本日のエイミー・ベネットです。「箱庭写真」といって、ピントをレンズやレタッチで絞る事で実寸写真をミニチュア風にみせる技法がしばらく流行っていますが、本日は箱庭絵画に迫ってみたいと思います。 

1.意外と知らないミニチュアの世界

挨拶文のように、ミニチュアモデルは世界中で様々な目的で制作させています。 実はプラモデルや建築モデルにはある程度きまったサイズがあります。1/35、1/60、1/100、1/200、1/350、1/700という具合に、ある程度のきまった縮尺サイズでモデルが製作されています。 これは各社が生産しているミニチュアモデル同士である程度汎用性があるように、規定されているからです。

また、意外な事実としてミニチュアモデルというのは実はかなりデフォルメされているものがほとんどです。 車や戦車、飛行機など、人間の目線からみた場合に遠近感の歪みなどを補正して綺麗に見える形と言うのが実際のデザインですが、そのままの尺寸でミニチュアにしてしまうと、車が胴長に見えたりとイメージがかなり変わってしまう場合があります。 そこでモデル会社はミニチュアとして違和感の無いように全体の形をデフォルメして販売します。 近くでミニチュアを観たときの、独特の違和感はそのためです。

また、ミニチュアの独特の違和感を逆に楽しむ為に、最近では特殊レンズを使ったり、写真を加工してミニチュアっぽくする箱庭写真が流行しています。 これはピントを中心に水平に保つことで、距離感の近い写真と錯覚させるもので、さらに色彩を上げる加工などをすることでよりミニチュア的にみえます。

2.エイミー・ベネット Amy Bennett

1977年にアメリカのメイン州に生まれたエイミー・ベネットはニューヨーク・アカデミー・オブ・アートで修了したのち、日本を含む世界中で展示や個展を展開しているアーティストです。 エイミー・ベネットの作品のテーマは孤独、変化、喪失感、ミステリー、人間の不器用さです。 こうした人間のうまく言い表せない感情をミニチュアのジオラマで制作し、そのセッティング情景を油絵で作品におこします。

エイミー・ベネットの絵画作品は、自ら巨大なジオラマをセットする所からはじまります。 4m x 1mもの巨大な自然のジオラマをアトリエにくみ上げて、ミニチュアの人間を設置し、建物を建て、樹脂で湖や川を作ります。 この配置や背景、細かいライティングなどの演出が作品に変化をもたらします。

自分のアトリエの中のジオラマ空間にはエイミー・ベネットが想像し、演出した人間達が複雑な人間関係を持ちながらうごめき、何人も集まったり、さみしそうに歩き回ったりしています。 その風景をエイミーは上空から捕らえて、1つのジオラマを使って連作としていくつもの作品を作り上げるのです。

エイミーの作るジオラマはシリーズによって異なり、雪国だったり、大自然だったり、街中だったりします。 しかしそこには必ず、なんともいえない人間のさみしさや、心の不器用さ、孤独や人間同士の繋がりが隠されています。 複雑な人間の心を、ジオラマを通して美しく描き上げる彼女の世界は、いまも世界中の展示場からオファーをうけています。
エイミー・ベネットの公式サイトはこちらから

3.エイミー・ベネット Amy Bennettの作品  At the Lake (湖の畔で)シリーズ

4.エイミー・ベネット Amy Bennettの作品 Neighbors (隣人達)シリーズ

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