事務所拡張に向けて、貪欲に仕事をこなすアルバトロデザイン代表 猪飼です。 本日は子供の頃大好きだった、オランダ人画家のエッシャーについて紹介したいと思います。 話題の映画「インセプション」にも夢の中のパラドックスとしてエッシャー的なイメージが多数出ていました。 エッシャーの作品はただ不思議であったり、目を引く、というだけでなく、総じてとても緻密で美しく、絵というよりもどこかパターン(模様)のような作りになっているのがとても魅力的です。 アーティストは色々な物を絵のテーマにしますが、エッシャーの絵のテーマは「平面、空間、無限空間、有限空間」というセンスも魅力的です。 私自身も子供の頃みたエッシャーに強い影響を受け、今でも視覚的なデザインや、緻密な絵に強い憧れを抱いています。 絵とデザインはいつも親密な関係にあるので、いい絵を見ると配置や要素のコンセプトをデザインに落としたらどうなのるかな?とドキドキしながら本日はエッシャーの世界を紹介したいと思います。

1.エッシャー 本名マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)

幾何学的な模様や、目の錯覚を利用した緻密な絵で知られるエッシャーですが、元々は版画の風景画や、壁や絨毯の模様等を描く普通の画家でした。 緻密でデッサンの取れた絵も有名ですが、はじめはリアルに物を描くのがとても苦手で、動物柄の絵を描いたときに絵が下手で酷評されたという歴史もあります。
父親は日本へも渡来した事がある土木技術師という、アートとはあまり関わりの無い家庭に生まれたエッシャーでしたが、勉強は嫌いで、絵ばかり描いていたそうです。 大人になったエッシャーは好きな絵で食べていこうと画家になります。 旅行好きな性格で、世界中を旅しては刺激を受けて絵を描くという人生を送っていました。
1924年、旅先のイタリアで出会った女性イエッタと、無名の画家のまま結婚し、ローマで暮らし始めます。 風景画を描く画家として腕を磨き、エッシャー初期の風景画傑作「カストロバルバ」もこのローマで描かれました。 しかし1935年、状勢的な理由から一家はスイスへ移り住むことを決意します。 スイスの大自然に囲まれた落ち着いた家でしたが、旅好きなエッシャーは退屈な風景には満足できず、画材を持って1人で船旅に出ることを決意します。 船会社に自分の作品をもって行き、旅先で作った版画を提供するので、船に乗せて欲しいと無謀な提案をします。 全くの無名だったエッシャーの絵を船会社は大変気に入り、なんと会社はこの条件を受けて無料でエッシャーをスペイン南部まで船に乗せる事となりました。  エッシャーはこの約束を守り、船賃として48枚も版画を制作しました。
スペイン南部への旅はエッシャーに強い影響を与えました。グラナダのアルハンブラ宮殿で観たモザイク模様に魅せられ、帰宅後エッシャーはモザイク模様や、様々な反復したパターンの絵を描くことに熱中しました。 風景画からモザイク模様へ切り替えたエッシャーの作品を周囲は酷評しましたが、反復パターンへの熱意は冷める事無く、1934年には妻を連れてアルハンブラ宮殿に再来し、妻と多くのスケッチを描き上げました。

事務所拡張に向けて、貪欲に仕事をこなすアルバトロデザイン代表 猪飼です。 本日は子供の頃大好きだった、オランダ人画家のエッシャーについて紹介したいと思います。 話題の映画「インセプション」にも夢の中のパラドックスとしてエッシャー的なイメージが多数出ていました。 エッシャーの作品はただ不思議であったり、目を引く、というだけでなく、総じてとても緻密で美しく、絵というよりもどこかパターン(模様)のような作りになっているのがとても魅力的です。 アーティストは色々な物を絵のテーマにしますが、エッシャーの絵のテーマは「平面、空間、無限空間、有限空間」というセンスも魅力的です。 私自身も子供の頃みたエッシャーに強い影響を受け、今でも視覚的なデザインや、緻密な絵に強い憧れを抱いています。 絵とデザインはいつも親密な関係にあるので、いい絵を見ると配置や要素のコンセプトをデザインに落としたらどうなのるかな?とドキドキしながら本日はエッシャーの世界を紹介したいと思います。

2. エッシャー モザイク模様から平面への追求へ

一家はベルギーに移り住み、エッシャーは本格的にモザイク模様の研究をはじめます。 結晶学者であった兄はそんなエッシャーを見て、結晶学の本を提供しました。 そこには様々な結晶が平面を埋める理論の論文が書かれており、エッシャーは数学的に分割して平面を埋めるという方法に衝撃を受けます。 この後勉強しつくしたエッシャーは、自身も「平面の正則分割」という論文を発表し、平面分割に対する自分なりの理論をまとめています。

アルハンブラ宮殿の再訪によって、エッシャーの中で数学的、幾何学的な世界への追求は確信化します。 父親にも最後まで理解されることはありませんでしたが、エッシャーは視覚と数学の世界へと傾倒していき、エッシャーの作品はまるで変わります。 あまり理解されないままエッシャーは当時誰も描かなかったような視覚と空間、反復パターンの絵を描き続けました。

エッシャーのこうした作品はしだいにドラッグによるものではないか、頭がおかしくなってしまったのではないか、などと囁かれましたが、1950年代になると、アメリカの雑誌で大々的に取り上げられたのをきっかけにアメリカの若者から爆発的な人気がでました。 単なる画家ではなく、多くの数学的思考や幾何学パターンの持論を持っていたエッシャーは地質学者を中心とした研究者や建築家達との交流から強い刺激を受け、作品へ投影していきました。

しかし1960年代になると体が病気がちとなってしまい、アメリカでの人気を目の前にガンとの闘病生活となってしまいます。 多くの講義依頼を受け、表へ出たいという意思とは裏腹に体調はどうしてもよくならず、病院で10回も手術を受けました。

自分の人生はもう長くない事を知ったエッシャーは、病院で最終作品の制作にとりかかります。 昔から最後の作品は蛇を描こうと決めていたエッシャーは、自分の遺作と自覚して制作に取り掛かりました。 エッシャーは最後の作品に全精力をつぎ込み、ェッシャーの正則分割の可能性は無限であることを表現した作品となりました。

4. エッシャーまとめ

画家としてもエッシャーの画力はとても魅力的です。 しかし、モザイク模様から無限・有限空間やパターンでの遊び、視覚を利用した不可能図形、そして自ら作り出した正則分割の実験等、ただ画家としてだけでなく、絵をフィールドに自らの世界を表現した人という所に強い魅力を感じます。

エッシャーは絵画の知識と技術を元々ベースに持ちながらも、結晶や平面図法、建築設計の経験、そして地質学者や研究者達との交流によってあらゆる興味を絵に反映させました。 こうした色々な角度からのアプローチは時としてすごくオリジナリティの高い傑作を生むものです。

エッシャーのこういった姿勢はデザイナーとしてもすごく尊敬でき、憧れます。

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