キューピーマヨネーズでおなじみのマスコットキャラクター、キューピーについてです。 実はこのキャラクター、アメリカのイラストレーターが発祥で実に100年以上の歴史があるのです! またその誕生もいろいろ複雑な現実があったり、そのキャラクターを日本のキユーピー(社名は”ユ”が大文字です)が採用する過程も興味深いものがあります。

1.ローズ・オニールによるキューピーの歴史

いままで、キユーピーの工場見学に行ったことのある方も多いのではないでしょうか。 私の学校でも、小学校の頃学校で工場見学に行ったのを覚えています。 キユーピーという会社はCMや広告にも特別な力の入れ方をしていて、ある意味ヨーロッパ的な雰囲気を持つ数少ない日本の企業だと思います。

さて、そんなキユーピー株式会社(アオハタグループ)の象徴的キャラクターである、キューピーちゃんがいます。  実はあのキャラクターは、すでに100年も歴史を持つ日本でも老舗キャラクターで、日本のキャラクタービジネスの火付け役とまで言われているそうです。

キューピーが誕生したのは1909年のアメリカでした。 婦人向けの「レディースホームジャーナル」という雑誌でクリスマス特集のポエムの挿絵として登場したのがはじまりだといわれています。 生みの親はローズ・オニールという女性のイラストレーターでした。 彼女の描いた最初のキューピーはクリスマスの夜に子供達に幸せをもたらす妖精のようなキャラクターとして描かれた挿絵だったそうです。 離婚をしたばかりの彼女の子供が欲しいという願望の表れでもあったのではないかと言われています。

そして1910年には、当時ブームとなったライト兄弟の初飛行に使用された飛行機に乗ったキューピーが描かれ、そのイラストがアメリカじゅうで広まったことにより一気にアメリカでキューピーのキャラクターブームとなります。 今考えると、たしかになぜ飛行機とキューピー・・・と思ってしまいますが、当時爆発的な注目をされていた飛行機に、ライト兄弟を乗せてライト兄弟の初飛行と限定するよりもキャラクターを乗せて「飛行機ブーム」自体を煽ったイラストのほうが使いやすかったからであるとも言われています。

その後、当時の様々な物語や世界観にキューピーは起用され、「キャラクター」というものの独特な扱いやすさを世界に知らしめました。 世界観を限定せず、どんなものにも登場するキャラクターという、今の「メディアミックス」と呼ばれる商業手法の原型ができた瞬間でした。 その人気は高まり、イラストのキューピーはおもちゃとして人形化されたり、絵本に登場したりと世界的に広まるようになります。

2.日本へきたキューピーさん

 大正から昭和(戦前頃)にかけての日本は世界的にみてもキューピーブームを強力に増進させた国だといえます。 戦前の日本ではキューピーのようなキャラクター商品が存在しなかった為、日本人はキューピーの来日に驚きました。 工場でキューピー人形を大量生産し、なんの実用性もないのに飛ぶように売れたそうです。 様々なキューピー人形が展開されて、黒い目にチャンチャンコを着せた日本製キューピーも誕生しました。  絵本や広告に使用され始めたキューピーはついに、マヨネーズを日本に持ち込んだ中島 董一郎(なかしま とういちろう)による会社のマスコットとして起用されました。 日本はどの国よりもキューピー人形を気に入った民族だったのかもしれませんね。

3.キユーピー株式会社

1919年に創立された会社で、上記の通り創立者の中島董一郎が若い頃のアメリカ留学時代にマヨネーズと出会い、1919年、東京都中野区小滝町に食品工業(株)を設立しました。 また、1925年3月に国産初のマヨネーズ(キユーピーマヨネーズ)の製造を開始、1957年に社名を「キユーピー株式会社」に変更し、現在も中島董商店がキユーピー・アヲハタグループの中核となっています。

キューピーをマスコットに起用するなど、CMやパッケージ等のデザインにとても力を入れているのも特徴的な会社ですね。 ちなみに、社名を「キユーピー」とし、ユを小文字に表記しないのも、見た目のデザインが理由だそうです。 英語での表記はアメリカのオリジナルのキューピーと同じKewpieで統一されています。(いわゆるキューピッドのつづりはCupid)  キューピーのマークの商品登録は日本で1922年に日本で完了し、1965年にアメリカでもとってあります。

今回のキューピーマークのキャラクター記事では余談になりますが、あのクオリティーの高いキユーピーの広告はライトパブリシティの秋山晶と細谷巌らが40年以上自ら構築したトーン&マナーを守り、キユーピーの広告制作を今も続けています。 たらこキユーピーの音楽CDの爆発的人気やキュージョン(着せ替えキャラクターのキューピー人形)の流行等、ただの食品会社に留まらないデザインを重視した企業戦略は個人的にとても好感がもてます。