もうすぐ夏ですね。夏といえば海、キャンプ、花火。たくさんのイベントがあるので楽しみです。皆さんこんにちわ、インターンの山田です。今回させていただくのは、誰もが1度は見た事のあるディズニーアニメーションのコンセプトアートを手掛けたMary Blairです。彼女の多彩な色彩感覚とアイデアに飛んだ作品はウォルト・ディズニーからも絶大な指示を得たアーティストです。彼女の歩んだ人生と一緒に作品紹介をしたいと思います。

1.メアリー・ブレアという人物

メアリーブレア(1911年-1978年)は米国オクラホマ州で生まれ、大学在学中に水彩画家としてそのキャリアをスタートさせました。夫であるリー・ブレアとともに、ブレア夫妻は共に非商業画家としてアートの世界で人生を歩もうと共に約束します。しかし世界大恐慌の煽りを受け、本来やりたかったアートの仕事につけず、幾つかのアニメーションスタジオを経て1939年にウォルト・ディズニー社に入社しました。彼女のイラストレーションはウォルト・ディズニーから絶大な指示を受け、『ピーターパン』や『不思議の国のアリス』などたくさんコンセプトアートを手掛けました。その多彩な色彩構成はその後のディズニーアニメーションに大きな影響を与えています。

2.アーティストとして、母として

終戦後、この頃ブレア夫妻はアメリカ東部に移り住み、夫であるリー・ブレアはニューヨークで会社を起こし、プロデューサーとして成功します。メアリーはディズニースタジオでの打ち合わせのため頻繁にニューヨークから、西海岸まで飛びました。1953年メアリーは息子達ドノヴァンとケヴィンの母として育児にもっと専念し、フリーランスのイラストレーターとして働くためにディズニースタジオから離れます。その後10年以上、広告と児童書の分野での多忙なキャリアを得る事になります。当時女性が働く事が珍しかった時代にそんな時代の最中育児のためにと退職し、再び復帰したり、とても自由に働いていたところがすごい所です。

当時メアリーについてインタビューされていた女性はこう答えています。『メアリーは、人の話をよく聞いてそれを受け入れつつも自分の意見を通す、そんな術を見につけていた』と…

そんな処世術を持っていたメアリーだからこそこの時代に生き残れたのかもしれないですね。彼女の留まる事を知らないアイデアの数々と多彩な色彩感覚はエネルギーに満ち溢れています。 また、1953年に出版された絵本『わたしはとべる(I CAN FLY)』は、ホワイトハウスのジャクリーン・ケネディから、娘のキャロラインのお気に入りの本だという手紙をもらっています。


『イッツァ・スモール・ワールド』の人形を持つウォルトとメアリー

3.ウォルト・ディズニーとの出会い

育児のためにを一時的にディズニーを退職したメアリーですが2年後再び復帰します。この頃、新作の製作のための南米視察旅行に参加します。メアリーは南米独特の色彩やデザインに刺激を受け独自の画風を獲得する機会となっただけでなく、この旅行中にウォルト・ディズニーに才能を認められ、ディズニーの作品に多くかかわるようになります。メアリーの作品を大変気に入っていたウォルトは、彼女のスタイリングをそのままキャラクターに生かしたいと主張しました。とても平面的なメアリーの絵をアニメーションに起こす事に当時のアニメーター達は大変な苦労をしたそうです。彼女のキャラクターイラストや世界観、絵の色使いはその後のディズニーに多くの影響を与える事になります。

メアリーが南米旅行中に描いた作品

4.メアリーの作品の集大成『イッツァ・スモール・ワールド』

誰もが知っているディズニーランドのアトラクションイッツア・スモール・ワールド (It a small world)はウォルト・ディズニーがメアリーに新しい作品のはけ口として提案したものでした。メアリーはこの作品で初めてアトラクションの制作に関わる事になります。これは元々ニューヨーク博覧会のため作られたアトラクションでしたが、カリフォルニアのディズニーランドに移転されました。平和な世界と子供の世界を考えたウォルト・ディズニーはメアリー・ブレアにコンセプト・アートの仕事を持ちかけます。世界中の子供達の人形が民族衣装を着て仲良く手を取り合い踊っているのが見られます。母として子供達を大切にしていたメアリーの子供達への愛情が伺えます。

5.まとめ

メアリー・ブレアは数えきれない程のイラストを遺しており、彼女の作品は非常にバイタリティに溢れていました。アイデアに飛んだ作品は女性が社会進出しにくい時代だったにも関わらず、メアリー・ブレアは活躍出来たのが頷けます。作品のみならず彼女自身の人生の送り方も女性としてとても興味深かったです。私はメアリー・ブレアの世界に触れてにあらためてディズニー作品を観直してみたくなりました。彼女の色とりどりな世界感はとても人を元気にさせます。

雨の日が続きますが、みなさんもこれはきっかけに是非メアリー・ブレアの世界に触れてみて下さいね!
インターンの山田でした。

メアリーの関わった作品『Saludos Amigos(ラテンアメリカの旅)』より

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