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フランスのタイヤメーカー ミシュランは1889年創立以来、世界中で認知される国際的に有名な会社です。そのミシュランを決定的に世界に知らしめた大きな要因の1つとして、独特なあの商業キャラクターであるミシュランマンの存在があります。彼の名は「ビバンダム」と言い、いまだに世界中でファンを多く抱える人気マスコットキャラクターです。彼の魅力はなんと言ってもあのインパクトのある外見です。まるでモンスターのような強そうなムキムキの容姿に、屈託のない明るい笑顔がなんとも衝撃的です。本日はそんなビバンダムを詳しく紹介しようと思います。

1.ビバンダムの誕生秘話
ビバンダム、通称「ビブ」は1864年、創業者のミシュラン兄弟が高く積み上げられているタイヤの山を見て、これに手足をつけて人間みたいにしたらマスコットにならないかな、という冗談から始まったそうです。ミシュラン兄は特にこのアイデアを気に入り、イラストレーターのオギャロにスケッチを描いてもらい、さらに自分でも手を加えました。その後試行錯誤があったのかどうかは分かりませんが、実に30年後の1898年、ついに広告に大々的に登場します。

2.ミシュランマン=ビバンダムのデビュー
1898年、ミシュラン社の看板でデビューをはたしたビバンダムは、当時のキャッチコピー「Nunc est bibendum!!」(今こそ全てを飲み込む時!!)というキャッチフレーズと共に謎の怪物としてデビューしました。

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これがその歴史的なデビュー作です。煙草を吸いながら丸眼鏡をしている姿はなんとも凶悪そうです。さらに食べ物、ビールだけでなく釘や鉄くずが入ったグラスを飲み込もうとしています。当時の人々にも身かなりのインパクトがあったようで、この広告を見た有名なレーシングドライバーがミシュラン兄弟に会った際、この化け物の名前が無いため、広告のキャッチコピーのbibendumから、ビバンダムという名前を付けているという事を言い、ミシュラン兄は面白がって実際にビバンダムという名前にしてしまったそうです。

先ほども触れたこの上記広告のキャッチコピー、「Nunc est bibendum!!」(今こそ全てを飲み込む時!!)のbibendumという部分が彼の名前として正式に認められたのでした。

因みに余談ではありますが、当時はまだ手書きで広告を作っていたため、この初代ビバンダム広告にも微妙に異なったバリエーションがいくつかあります。

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こちらは初代ビバンダムの別バージョンです。色が少し異なり、顔の向きや左右の化け物、書体が異なっています。少しマニアックですが、ビバンダムの初代ポスター比較も楽しいですね。

3.ミシュランマン=ビバンダム変貌の歴史
ビバンダムを広告に使った当時は、キャラクターとしての設定は怪物に近いものがありました。しかし、自分の体の一部であるタイヤを困っている人に分け与えるという心優しい設定も後にできていきました。

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酒もタバコも大好きな初代ビバンダムでしたが、タイヤを人々にあげだしたのを皮切りにか、段々と性格、容姿も落ち着き、時代を追うごとにかわいらしくなっていきます。最後にそんなビバンダムをポスターやイラストで一気に紹介します

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4.ミシュランマン=ビバンダムの今
ビバンダムをはじめから見ていくと、かわいく仕立てるのは不可能ではないかとすら思わせますが、現代のビバンダムはかなりかわいいくなったと思います。最近はオフィシャルなビバンダムも3DCGで描かれ、さらなる進化を遂げようとしています。
時代と共に体のタイヤを人に譲ることはしなくなったようですが、ミシュランの顔として100年以上経ったビバンダムはまだまだ世界中の人を惹きつける魅力をもっているようです。

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アルバトロデザイン 猪飼 俊介