中村佑介 (なかむら ゆうすけ) 日本の新鋭イラストレーター アジカンCDジャケットからアニメ四畳半神話大系まで




すみません、前回のあいさつ文のままブログを更新して気づきもしなかったアルバトロデザイン代表 猪飼です。 最近はアルバトロデザインでオリジナルTシャツの制作や、公式サイトのデザイン等、内部の仕事が少しずつ進んでいるのですがまだまだ進行速度が不安なところです。もっと色々進めなくては、と焦るのですがなかなか難しいですね。さて、本日は最近アニメ「四畳半神話大系」でキャラクター原案を担当した中村佑介についてです。中村佑介、アジアン・カンフー・ジェネレーション共にデビュー当初からアルバムジャケットを担当しているのでそちらでご存知の方も多いと思います。本人、とても気さくでいいキャラクターをしている中村佑介をイラストと共にご紹介いたします。

1.中村 佑介 (1978- )

中村佑介は大阪出身のイラストレーターです。 父親は建築家、母親はファッションデザイナーという実にクリエイティブな家庭で育ちます。 ノスタルジックかつ女性的な独特のデフォルメ感が特徴で、国内外から注目される今最も人気のイラストレーターの1人です。 鳥山明等のマンガやアニメ、ゲーム等から影響を受けたと言う、平成カルチャーから強い影響を受けた新しいタイプの”現代”イラストレーターでもあります。

2000年に大阪芸術大学芸術学部デザイン学科イラストコースを卒業し、同大学の助手として勤めつつイラストを描き、友人に誘われた個展で初めてその描き溜めたイラストを公開し、その完成度と共に膨大な作品数で周囲を驚かせたといいます。

その後、日本のバンドAsian Kung-fu Generation(通称アジカン)からのオファーで、2002年のデビューアルバムからアルバムアート(CDジャケット)のイラストを担当しています。 アジカンのアルバムはその後人気と共に数多く発表され、2008年頃には中村佑介はアルバムアートを通して表現したかったイラストを全て表現してしまい、スランプに陥ります。

中村佑介がスランプから打破したきっかけは、自身の展覧会の一環で来場者と話しながらひたすら似顔絵を描くというイベントだったそうです。 300枚近く似顔絵を描いたこのイベントを通し、自分の内側の表現したいものを描くだけでなく、外部からの刺激を絵に表現するという楽しみを発見したそうです。

現在はその独特かつ繊細な描写が人気を博し、スピッツやつじあやの等、様々なアーティストから指名を受けてイラストを描いています。また雑誌や装丁、画集、マッドハウス制作のアニメ「四畳半神話大系」のキャラクター原案など、活動の幅を着実に広めています。

2.中村佑介の作品

中村佑介は全作品を通して林静一に強い影響を受けたことを公言、作品からも影響が見て取れます。 また、他にも竹久夢二、ミュシャ、鳥山明、ノーマンロックウェル、わたせせいぞう、あだち充などと様々なジャンルのアーティストから影響を受け、それをミックスしてストーリー性のあるイラストを描き出しています。

実際中村佑介のイラストは、カラフルな絵の中に様々な要素が凝縮されていて、その要素を使ってストーリーを組み立てられるようなものが多いのも特徴です。

セーラー服を着た女性がメインに登場する事が多く、中村佑介本人曰く目とおしりがこだわりのポイントだといいます。 登場人物だけでなく、作品全体のラインやコンセプトも女性的なもの多く、乙女心という言葉がしっくりくる作品が特徴的です。 本人曰く女性的な世界が好きで、裸から描き出すので自分でも描いていてムラムラするそうです。

 
林静一の作品

 
竹村夢二の作品

3.中村佑介の作画方法

中村佑介はとても綺麗なラインと色使いから、デジタル(特にIllustrator)で全て描かれていると思われがちですが、昔のマンガ家のようにケント紙に鉛筆で下書きして描きはじめるそうです。 ペン入れまでを手描きで行い、スキャンした末にPhotoshopで色を塗っています。 また、人物の描写は自分でポーズしたり、友達にポーズをとってもらい、骨格から裸体を描き、服を着せていくと言う手法をとっているそうです。

基本的にコンピュータは彩色以外は使わず、直線的なラインやパースが必要な絵も全て定規を使って手描きで描いていると言うので驚きです。

 
手描き段階の中村佑介の作品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベストセラーBOOK TV『Blue~中村佑介の世界』(1/3)

ベストセラーBOOK TV『Blue~中村佑介の世界』(2/3)

ベストセラーBOOK TV『Blue~中村佑介の世界』(3/3)

四畳半神話大系 オープニング 「迷子犬と雨のビート」
(中村佑介がキャラクター原案を勤めています)

4.中村佑介まとめ

いままでの日本的な、大正ロマン的な、絵を現代らしいイラストに昇華させたのが中村佑介の功績であり、魅力であるとおもいます。 中村佑介自身は映像でも分かるとおり、実に気さくで下ネタも進んで話してくれるような人物です。 こうした、柔軟な人間性がノスタルジックな日本の作品を現代化していくというのは実に現代的で、魅力的です。

最近、デザインで個人的に考えるのが過去作品の脳内アーカイヴ化と、現代化が1つのテーマです。 例えば、音楽も大体の作品はなにかしらのジャンルに属しています。 ロックであったり、ジャズであったりです。 それはその時点で、過去の名作に強い影響を受けている事を示しています。 これと同じように、グラフィックやアートも過去の作品に対しての、今の作品と言う相対性が重要になると思うのです。

つまり、言葉を知らなくては意思も伝えられない様に、なにか作品を作るときは大なり小なり過去の作品を意識し、それを分析して新しい作品を作り上げるという作業過程がどんな作品にもあります。 その点で、中村佑介はとてもバランスよく日本の作品を網羅し、それをバランスよくまとめるというセンスが見ていてとても勉強になるイラストレーターだと思います。 今回アニメにも携わり、今後にも期待です!

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2 Comments

  1. Lavy

    初めまして、いつもブログを拝見しております。
    今回は私の尊敬する中村佑介さんの記事ということで嬉しいです!

    林静一の赤色エレジーというアニメ作品を見て
    何となく中村佑介っぽいなぁと思っていたのですが
    やはり影響を受けていたのですね!
    もし、未見でしたら見てみてください。

    赤色エレジー(ニコニコ動画へのリンク)
    http://www.nicovideo.jp/watch/sm5789673

  2. IKAI

    >Lavy.AY さん
    こんにちわ。赤色エレジー、おもしろそうですね~
    仕事が終わったらちゃんと観てみます。
    最近絵を習っているせいかイラストレーターへの憧れが強いです。
    私もいつか中村佑介さんのように、イラストでも仕事が入るようになりたいです。
    これからもブログ、宜しくお願い致しますねっ。

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