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 最近めっきり寒くなって来て外を出歩くのが少し億劫ですよね。 繁華街のちょっと入った路地裏にたまにスプレーで描かれたストリートアートを目にします。今日はそんな思わず足を止めて見たくなるようなストリートアートをご紹介したいと思います!!

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1.ストリートアートとは
 ストリートアート(street art )とは、街をカンバスとしてペンキやスプレーで描かれる美術様式です。単に落書きとして扱われる事もあり、英語ではgraffiti(グラフィティ)とも呼ばれることもありますが、一部では芸術活動としても認知され、適切な場所に描かれたものに関しては、市民権を得るようになってきているようです。 ストリートアートは古くは街の随所に見られた公共の、もしくは建物に付随した彫刻など(パブリックアート)とは違い、その土地の管理者もしくは施設所有者とは無縁の第三者が描く街頭大衆芸術の一種です。その多くは建物や施設を汚損する器物損壊行為の範疇として取り締まられているのが現状です。

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 しかし近年では街の装飾として、特に美術性のあるストリートアートが容認されたり、計画された都市景観の一部として採用される動きもあり、認められた市民活動の範疇で手掛けられる場合もあるようです。近年街角に多く見られるタギング(街の彼方此方に散見されるスプレーペンキで描かれた落書きの一種で、特に個人や集団のマーク(目印)とされるものを描いて回る行為)との境界が曖昧な場合もあるものの、その内容には一定の差異が見られ、街を汚損する傾向が強いタギングが嫌われる一方、都市景観に華やかさを加えるストリートアートを評価する向きもあるようです。

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題材にはエロティックで公共の場所にはやや難のあるヌードや、独自のアニメやカートゥーン風のキャラクター、または写実的なモノやポップなモノまで様々で、描く側の趣味志向によって幅広い様式が存在します。所有者に無断で描かれる場合は、アートを称していても器物損壊にあたる犯罪行為であるので、多くは深夜にゲリラ活動的に描き込まれます。しかし、特に描き手を募集して描かれる場合は、平日の日中に制作されることもあるそうです。

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2.ストリートアートが街に及ぼす影響
 幾ら芸術の様式であるとは言っても乱雑であったり場所にそぐわない物の場合は、荒廃した雰囲気を作り出してしまうなど、周囲に悪影響を及ぼす場合があります。特にアマチュアリズムの発露である事が多いこれらストリートアートは、完成された都市景観を損なうケースも見られます。街に乱雑なストリートアートが溢れることには、割れ窓理論に絡んで犯罪が起こりやすい雰囲気を作り出すと懸念されているようです。中には、個人の住宅の外壁や商店のシャッターに描き込まれるケースがあり、所有者に深刻な損害を与える場合もあります。その一方で少子高齢化の進む日本に於いて、商店街に閉店した店が目立ってしまう事から、閉店している店のシャッターを装飾する事で商店街の活性化を期待する活動も見られます。この場合市民から作品を募る所もあるようで、特に完成度の高いストリートアートは従来その上に乱雑なタギングなどの描き込みをしたり張り紙広告を行うのを躊躇させる効果も見られたため、公共の場所への落書き防止のために用いられる場合もありましたが、現在では描き手のモラル低下から臆面も無く汚されるケースもあるため、落書き防止の効果は薄くなっているといえます。

ヨーロッパやアメリカ、近年では日本でも、特定の壁面をストリートアーティストやグラフィティのために解放し自由に描いてもらおうという「リーガル・グラフィティ(合法的な落書き)のための壁面」を用意する自治体や建物所有者が現れるようになった。アーティストには見回りの目を気にしない発表の場を存分に提供し、同時に非合法な落書きを減らし、都市の装飾や観光にも使おうとのアイデアである。これには歓迎する立場と、非合法の落書きを減らすことにはならないと歓迎しない立場があるようです。

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たしかにタギングとストリートアートの境界が非常にグレーではありますが、街中でアート性の高いストリートアートを見るとついつい足を止めて見入ってしまいます。これからもストリートアートは変化し続けて行きますが、人を喜ばせたり感動させてくれるようなそんなストリートアートが増える事を願います。

アルバトロデザイン 横内 康弘

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