盆栽 Bonsai デザインされた植物の世界 初級篇

先日のパトリックブランの植物の壁に対して、日本の誇る盆栽についてです。 盆栽というと古臭いイメージが昔から付きまといますが、最近は比較的若い人の趣味としても広まりつつあります。 弊社アルバトロデザインのオフィスにも盆栽が数点ありますが、本日は初級篇として最近の盆栽及び手軽にはじめられるインテリアとしての盆栽について書いてみようと思います。
1.盆栽の歴史
そもそも盆栽とは、中国で唐の時代に行われていた「盆景」が平安時代に日本へ入ってきて始まったものとされてれています。(wikipediaより) 侍や商人の間でも盆栽は流行り、明治以降も粋な趣味として認識され、茶道と並ぶ当時の人気の趣味でした。 しかし盆栽は植物を相手にする為、膨大な時間と手間を必要とします。 結果昭和に入り、忙しくなった民間人の間では時間のある比較的裕福な家庭か、仕事を終えた年寄りの趣味となり、団塊の時代以降はことさら一般人には育てることが困難となりました。 しかし植物の形をデザインするという独自性から、90年代より海外からも人気が出始め、逆輸入的な要因や日本独自文化の再認識も含め盆栽は現在に再び静かなるブームを取り戻します。

2.盆栽の醍醐味と困難
盆栽の魅力は人それぞれです。 しかし私は植物という生態の形自体をデザインするという行為に惹かれてしまいます。 植物を、とりわけ盆栽で扱うようなしっかりとした幹の形を形成する種類の植物を育てるということはそれ自体難易度が高い事です。 毎日の水あげに留まらず、日光や風向き、栄養面まで気にしなくてはなりません。 しかし相手が生命である以上、植物でも全ての行いに対して返事が来るのも事実です。 元気がよいときや調子の悪いときは見て取れるように変化します。 こうした手間に対する変化こそが現在社会の若者達に興味を持たれる所以なのかもしれません。

3.デザインとしての盆栽
盆栽はただ上手に育てるというものではありません。 生命体の形を人間の手によってデザインするというのが最大の醍醐味でもあります。 盆栽を支える陶器(セラミック)の形も日々進化し、最近ではとても洗練された形のものもあります。 盆栽はゆっくりと植物と向き合い、地道に育てていくというだけのものではありません。 植物自体が健康であるのを前提に、ワイヤーで植物の幹を縛り付けて形を矯正したり、根の奥まで掘り起こしてわざと根をもちあげたり、幹をきつく縛りつけることで幹の一部を太くしたりする技があります。一見植物にとっては残酷な方法かもしれませんが、健康な状態である以上植物はこれしきのことで弱ったり死んだりはなかなかしません。
こうした方法を行う為にも、かなりの詳しい植物についての知識が必要となるのも事実です。 どうすることが植物へ危険をもたらし、どこまでは健康に問題がないのか。 また、日照時間や季節の温度にも敏感でなくてはなりません。 弊社のオフィスに一年以上前からある盆栽もなかなか育てるのが難しく、毎日四苦八苦の日々ですが手間がかかるほどかわいく見えてしまうのも事実です。 こうした複雑さや、先の読めない中でのパートナーとしての植物をデザインするという形が盆栽の魅力なのかもしれません。

4.盆栽の種類と初心者向けの植物
盆栽にもいくつかの種類が存在します。 明確に分類されているわけではないのですが、最近の新しいジャンルとしては苔をしきつめて苔+植物で育て上げる苔盆栽や、盆栽自体を風景に見立て、ジオラマのように楽しむマン盆栽、若者に人気名苔球盆栽等があります。さらに、正統派(?)な鉢に土を敷き詰めて育てる普通の盆栽の中にも実をつける「実もの盆栽」や花をつける「花もの盆栽」、「草もの盆栽」、松のように葉だけを楽しむ「松柏(しょうはく)盆栽」などがあります。 ではどのような植物が初心者には育てやすいのでしょうか?特に初心者向けなのはハゼ(葉落)とよばれる四季の紅葉や緑を楽しめる種類や、松などの生命力の強い種類も弊社のオフィス盆栽での経験上はかなりお勧めです。 また、長続きさせるコツとしては大きめな鉢を選ぶのも重要です。 鉢の小さなミニ盆栽がとてもかわいく人気ではありますが、鉢が小さい分水の撥水も早く、1日2日の水遣りを忘れただけでも乾燥しがちです。 鉢が大きく、生命力強い植物を選ぶのが初めての盆栽としては有効でしょう。 また、購入時に盆栽屋のお店の方に詳しく育て方を聞くのも植物の生態を知る上でとても大切な一歩です。




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