一時期よく見かけたミニチュア「風」写真、さらに近頃のデジカメにはミニチュア風写真が撮れるモードが搭載されているものまで見かけます。私インターン生柴田の愛用しているコンパクトデジカメには、そういったモードは付いていないのですが、昔自分で画像編集ソフトを使って、写真をミニチュア風に加工して遊んだりしたことがあります。これが一回やるとなかなか面白くて、ついついいろんな写真で試したくなってしまいます。

ということで今回は、日本のミニチュア風写真ブームの火付け役であるフォトグラファー本城直季をご紹介させて頂きます。

1. 本城直季(1978-)

本城直季は、1978年に東京に生まれました。東京工芸大学に在学中、富士フォトサロン新人賞の奨励賞を受賞。そして作品集『small planet』で2006年度木村伊兵衛写真賞を受賞します。

大学時代では、都市のランドスケープをテーマに撮影をしていて、授業で習った大判カメラのアオリを利用して遊びはじめたのが今のスタイルへのきっかけなのだそうです。中には、ミニチュアをセットして撮影してると思われる方もいるかもしれませんが、現実の風景を撮影しています。

アオリは、大型カメラの蛇腹部分を動かし、高い建物の歪みを直して撮影するときなどに使用されます。これを使うと、高いところから遠くの被写体を捉えて、焦点を合わせることができます。本城直季は、4年かけてこの技術を自分のスタイルへと昇華していきました。

2. 世界の虚構性

本城直季は、「観る」という行為が好きで、昔から、自分とは別の遠い所から見ているような、客観的な視点で物事を見る機会が多かったのだそうです。そこから自分の住んでいる世界が、嘘っぽく、作られていると感じはじめ、写真で表現していきます。そして、写真を撮ることによって、作られた世界に住んでるということを再認識するのだそうです。

本城直季は、「写真」という表現によって、初めてそうしたことを客観的に認識できると言っています。

遠くから俯瞰している構図は、神の視点と形容されることがありますが、主観的に見ている世界を俯瞰的に眺めることによって、初めて気づくことがいろいろありそうですね。

 

3. ミニチュア風写真の元祖 Olivo Barbieri (オリボ・バルビエリ)

ミニチュア風に撮るというスタイルのフォトグラファーは海外にも存在しており、その中でもミニチュア風写真の元祖とも呼ばれているイタリア人作家のオリボ・バルビエリの作品を、ここで軽く紹介させていただきます。

オリボ・バルビエリ(1954-)の場合は、大判カメラとチルト・シフト・レンズを使用し、ヘリコプターなど高い場所から撮影するそうです。本城直季の写真と見比べてみると、同じ手法でも作家独自の視点の違いや、新しい発見がいろいろ見つかりそうですね。また、オリボ・バルビエリは写真をデジタルで加工しないのだそうです。

4. まとめ

ミニチュアが好きな人はたくさんいますが(私もそうなのですが)、その好きだと思う理由のヒントが本城直季の写真には隠れているような気がします。うっかりミニチュア写真のつもりで、本城直季の写真を見ると、これは自分の住んでる世界だったのか!と衝撃を受けた人もいそうですね。何故か人は作られたミニチュアの世界を愛で、写真の撮り方ひとつで自分達の住んでる世界自体がこんなにもミニチュア感に溢れて撮れるとは。何が嘘で、何が本当なのかわからなくなってきました…。安易にかわいいと形容すると火傷してしまいそうです…。

そんな今回は、現実と虚構を見つめるフォトグラファー本城直季をご紹介させて頂きました。

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