柳宗理 (やなぎ・そうり) のデザイン食器の世界 ロハスな生活はステキ食器から!




  地味ですが趣味の1つが料理であるアルバトロデザイン代表 猪飼です。 なかなか忙しいので、毎食自作はできないものの、たまに作る料理はすこし凝りたいものです。 そんな時、モチベーション的に意外と大切なのが食器です。 いい器で、いい食器を使うだけでそれなりに装飾され、料理への意気込みも上がります! 素朴な料理も、素敵なスプーンと器に入るとなんかオーガニックにすら見えてしまいます! 笑 というわけで最近食器に凝っていますが、まだまだ全然満足のいく品が自宅に揃っているわけではなく、捜索段階です・・・ そんな中、最近とても気になっているの柳宗理のスプーンを筆頭に、柳宗理ワールドをご紹介します! 

 1.柳宗理の食器との出会い

うちのデザイン事務所は東京にあるものの、レストランや食べるところという観点からは見事に陸の孤島状態です。 おいしいランチを食べるところはかなり限られ、常に食事場所は枯渇状態にあります。 そんな中近所の松陰神社のカレー屋によく行くのですが、そこで使われているスプーンが柳宗理のものでした。 正直初めて手に持った感想は、重い!! の一言だったのですが妙に手になじむというか、しっくりくるのです・・・ 形は至ってシンプルなのに、手になじみ、スプーンという器具としての存在感がある。 これがデザインなのだな、と感心してしまいました。  ちなみにこのスプーンやフォークは黒柄カトラリーといい、柳宗理のデザインを代表する食器のひとつですが、黒い部分はウッドになっていて、木目はそのままカバ材積層強化木という素材でとても重厚感があります。(カバ材積層強化木がどのようなものなのかはいまいちわかりませんが・・・)

2.柳宗理とは

柳宗理は、1915年生まれの日本を代表するプロダクトデザイナーの1人です。 思想家であり、宗教哲学者でもある柳 宗悦(やなぎ むねよし)を父親にもちます。 ドイツのバウハウスに在籍していた水谷武彦の講義でスイスのプロダクトデザイナー兼建築デザイナーでもあるル・コルビュジェの存在を知り、デザインに関心を持つようになったそうです。

当時美術の道を進みつつもこれからの道のりに悩んでいた柳宗理は、この水谷武彦によるル・コルビュジェの話の一体どこに興味をもったのでしょうか。 それは、「装飾のないところに真の装飾がある」という思想でした。 東京美術学校、油絵課で美術を学びつつも疑問を感じていた柳宗理は、装飾をそぎ落としたデザインに感動し、魅了されます。 また、時代は昭和初期、機会が物を作る時代へと変わり、合理的なデザインを要求する「機械時代」へと突入していきました。 柳宗理はこの流れに身を投じ、機械時代のデザイナーと成るべく歩みだします。

 

 その後、戦争に巻き込まれフィリピンへ出兵するも無事帰国し、工業デザイナーとして活動を開始します。 デザインコンクールでの入選をきっかけに柳デザイン研究会を設立、次々と大きな仕事をこなし、ついにはオリンピックの聖火台までデザインする一流事務所へと成長しました。1960年代~70年代には歩道橋や、高速道路の防音壁など、公共工業デザインも積極的にこなしていきます。 中でも

 

3.柳宗理は工業デザインからプロダクトデザインへ

国からの公共工業デザイン、オリンピック聖火台や記念コインのデザイン参加など、柳宗理の柳デザイン研究所は順調にその活動範囲を拡張していきました。 機能的且つ圧倒的、超全的なデザインを次々と発表し、一躍世界のデザイン事務所として人気を博します。 柳宗理のデザインの幅もしだいに広がり、自動車のデザインや、トイレットペーパーホルダーのデザイン、ラジオや洗面器までと幅広く活躍します。 鉛筆立てやテープ台等、ステーショナリーも数多くこなしました。中でも1957年に発表した「バタフライスツール」という椅子はミラノのプダクトデザイン賞で金賞を受賞し、現在でも世界中の美術館に美術品として永久保存されています。

4.柳宗理のデザイン哲学と食器

ようやく食器についてです。 偉大な思想家を父に持つ柳宗理は販売者だけの経済利益を優先したプロダクトを嫌いました。 合理的であり、装飾の無い装飾をデザインし、そして消費者、それを扱うものに機能性から愛されるようなデザインこそ、柳宗理のデザインだと考えたのです。 つまり、使用者を考えたデザインを心がけています。

こういった思想だからこそ、柳宗理は食器という生活に最も密着したジャンルのデザインはかなり早い段階で着手していました。 柳宗理のとにかく、使いやすく、無駄の無いテーブル・ウェア・デザイン。 それは工業デザインに根ざし、研ぎ澄まされた生活貢献への精神が織り成すデザイン哲学だからこそ成せる業なのだと思います。

では最後に、柳宗理の格言をご紹介します。
「デザインにおける意識活動も、創作活動も用という絆にしっかりと結び付けられていて、そこから逸脱することは絶対に許されない。 もし逸脱すれば、もはやそれはデザインではない。」 1983年 柳宗理











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2 Comments

  1. こんばんは。
    柳宗理さんのプロダクト、私もいくつか使用しています。愛用品です。
    ミルクパンは最後の1滴までキレイにこぼれることなく注げるので、
    注ぐたびに感動していいます。笑

    柳宗理さんが、ル・コルビュジェの存在を知り、
    デザインに関心を持つようになったとは知りませんでした。
    なるほど!

  2. IKAI

    >rb4さん
    こんばんわ。柳宗理のプロダクトはがっしりしていて、存在感があって機能美すら感じますよね。
    私はこの度我が家の包丁が切れ味が悪くなってきたので、柳宗理包丁導入を検討しています。笑
    rb4さんの家のミルクパンのように、我が家でも活躍してくれるといいのですが・・・

    バウハウスからの影響を日本で受け継いだ人達は鋭いデザイン哲学を持った人が多いですね!
    我が事務所も隔世遺伝で、受け継ぎたいものです!

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